近年注目を集める「和紅茶」。中でも“紅茶専用品種”として古くから日本で栽培されてきた「べにほまれ」は、味・香り・歴史、どれをとっても奥深く魅力的な品種です。この記事では、和紅茶の品種選びで迷っている方に向けて、「べにほまれ」について、特徴や美味しい飲み方、実体験をもとにわかりやすく紹介します。
1. 「べにほまれ」とは?|国産紅茶の“元祖”ともいえる品種
「べにほまれ」は、日本で初めて紅茶専用品種として品種登録された、和紅茶の礎を築いた存在です。
1951年(昭和26年)に登録されて以来、長く紅茶用として栽培され、現在も一部の茶園で大切に育てられています。
もともとは、海外のアッサム種と日本在来種を交配してつくられた品種で、海外紅茶に近いコクや香りを持ちながら、日本の気候にも適応しやすいという特長があります。
2. 味・香り・水色の特徴
▶ 味わい:どこか懐かしく、深みと渋みが調和
べにほまれの魅力は、クラシックで力強い味わいにあります。
紅茶らしい適度な渋みがありながら、えぐみやクセは少なく、後味はとてもまろやか。
ほんのりとした甘みや、コクのある深みも特徴的です。
「セイロン紅茶に近いけど、口当たりが柔らかい」と感じる方も多く、紅茶好きにはたまらない、本格派の味わいです。
▶ 香り:ウッディで重厚、黒糖のような甘い余韻
茶葉をお湯に注ぐと、ふわりと立ち上がる香りはウッディでスモーキー。
時間が経つと、干し柿や黒糖、時にはチョコレートのような甘さが顔をのぞかせます。
まさに「香りで癒される紅茶」と言えるでしょう。
▶ 水色:深みのある紅褐色
抽出した紅茶は、しっかりとした濃さのある紅褐色。
ミルクティーにも負けない濃さと風味があるため、ストレートでもミルクでも楽しめる万能タイプです。
3. 飲み方のおすすめ|ストレートでもミルクでも楽しめる
べにほまれは、抽出の幅が広く、アレンジの自由度が高い紅茶です。
- 朝はストレートで、焼きたてのパンや果物と合わせて爽やかに。
- 午後はミルクを加えて濃厚に。バタークッキーやチョコレートとの相性も抜群。
- 夜はあえて少し薄めに淹れて、リラックスした読書時間に。
抽出温度は90〜95℃が適しており、蒸らし時間は3〜4分が目安です。
濃いめに淹れても渋みが立ちすぎず、優しい口当たりをキープできるのも、べにほまれの良さです。
4. 実体験:オンライン購入で出会ったべにほまれの深い味わい
紅茶に関しては、もともとあまり詳しくありませんでした。
むしろ、私は長年コーヒー派で、自分で生豆を焙煎するほど珈琲に凝っていたほどです。
そんな私が紅茶に興味を持ち始めたのは、日本で作られている和紅茶の存在を知ったのがきっかけ。
ある日、SNSで紹介されていた長野県の小さな茶園の「べにほまれ」をオンラインで注文してみました。
届いた紅茶を淹れてみた瞬間、驚きました。
「あれ、これまでの紅茶と全然違う……」
第一印象は「香りの奥行き」。
スモーキーさの中に、どこか土っぽい、でも甘い香りが混じっていて、思わず何度もカップを傾けました。
一口飲めば、まろやかなのに深くて、ミルクを入れたらさらにコクが出る。
「これが日本の紅茶の底力か」と感じました。
以降、「和紅茶って面白いかも」と興味を持ち、他の品種や茶園の紅茶も飲み比べるように。
べにほまれは、和紅茶の世界に足を踏み入れるきっかけになった、特別な存在です。
5. どんな人におすすめ?
べにほまれは、以下のような方に特におすすめです。
- セイロンやアッサムのような“紅茶らしい紅茶”が好きな方
- コクや渋みのある紅茶をミルクティーで楽しみたい方
- 和紅茶に挑戦したいけど、どれから始めるか迷っている方
- 普段のコーヒータイムを紅茶に変えてみたい方
6. まとめ|べにほまれは、和紅茶の世界への入口にぴったり
「べにほまれ」は、和紅茶の中でも特に歴史が深く、味のバランスも優れた品種です。
渋み・甘み・香りが調和した味わいは、「これぞ紅茶」と感じさせてくれる本格派。
初心者にも飲みやすく、かつ紅茶好きの方にも満足してもらえる懐の深さがあります。
和紅茶に興味を持ち始めた方は、まず「べにほまれ」から飲んでみるのがおすすめです。
その奥深い香りと味わいが、きっとあなたの“和紅茶時間”を豊かにしてくれるはずです。
☕ この記事で紹介した品種
- 和紅茶品種:べにほまれ
- 産地例:長野県、静岡県、鹿児島県など(※オンラインショップなどで流通あり)
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